linux:kernel:namespace:more_on_pid_namespaces

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linux:kernel:namespace:more_on_pid_namespaces [2013/08/26 11:18] – [unshare() と setns()] tenforwardlinux:kernel:namespace:more_on_pid_namespaces [2013/08/27 15:12] (現在) tenforward
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-====== PID 名前空間について更にもう少し ======+====== 名前空間の操作,その 4: PID 名前空間について更にもう少し ======
 この記事では,PID 名前空間の先週の議論を続ける (そして名前空間に関する進行中のシリーズを続ける).PID 名前空間の利用法の一つは,パッケージ化したプロセス (コンテナ) を実装することである.これは独立した Linux システムのように振る舞う.伝統的なシステムのキーとなる部分は init プロセスである.そしてこれは PID 名前空間を使ったコンテナでも同様である.なので,init プロセスの特別な役割を調べ,伝統的な init プロセスとは違う点について 1 つ,2 つ述べる.加えて,PID 名前空間に適用する時の名前空間 API の他の詳細を調べる. この記事では,PID 名前空間の先週の議論を続ける (そして名前空間に関する進行中のシリーズを続ける).PID 名前空間の利用法の一つは,パッケージ化したプロセス (コンテナ) を実装することである.これは独立した Linux システムのように振る舞う.伝統的なシステムのキーとなる部分は init プロセスである.そしてこれは PID 名前空間を使ったコンテナでも同様である.なので,init プロセスの特別な役割を調べ,伝統的な init プロセスとは違う点について 1 つ,2 つ述べる.加えて,PID 名前空間に適用する時の名前空間 API の他の詳細を調べる.
  
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 {{:linux:kernel:namespace:pidns_orphan_2.png|}} {{:linux:kernel:namespace:pidns_orphan_2.png|}}
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 +setns() と unshare() は PID 名前空間を特別に扱うと強調する価値はある.他のタイプの名前空間に対しては,これらのシステムコールは呼び出し元の名前空間を変更する.これらのシステムコールが呼び出し元の PID 名前空間を変更しない理由は,他の PID 名前空間のメンバーになることは,自身の PID のプロセスを変更させることにつながる.getpid() は,そのプロセスが属する PID 名前空間に関するプロセスの PID を報告するからである.多数のユーザ空間のプログラムやライブラリは (getpid() が報告する) プロセスの PID は一定であるという仮定がある (事実,GNU C ライブラリの getpid() のラッパー関数は PID を[[http://thread.gmane.org/gmane.linux.kernel/209103/focus=209130|キャッシュする]]).つまり,もしプロセスの PID が変化したら,これらのプログラムはうまく動かない.別の言い方をすると,プロセスの PID 名前空間のメンバーシップは,プロセスが作成された時に定義され,それ以降は変化できない (他のタイプの名前空間のメンバーシップとは異なる).
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 +===== 最後に =====
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 +この記事では,PID 名前空間の init の特別な役割を見て,ps などのツールが使えるようにするためにどのように PID 名前空間に対して procfs をマウントするかを示し,PID 名前空間を使う場合の unshare() と setns() の特殊性をいくつか見た.これで PID 名前空間についての話は完了した.次の記事では,ユーザネームスペースについて見ていく.
  • linux/kernel/namespace/more_on_pid_namespaces.1377515906.txt.gz
  • 最終更新: 2013/08/26 11:18
  • by tenforward